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引きこもり支援鈍報 in はてな

珍しい食べ物が食べたい

三題噺で遊んでみた「人工 リモコン レストラン」

三題噺シリーズ ネタ

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「人工知能搭載ロボットの導入ねえ……」
私は悩んでいた。初期費用はかかるものの、維持に金もかからず人件費を削減できるロボットを、自身が開業する予定のレストランに導入するかどうかを。

 

「営業マンさん、もし人工知能ロボットを導入するとしてお客さん側には何かメリットがあるのかい?」


「ええ、もちろん。例えばオーダーをリモコン操作にしてしまえば、わざわざ従業員を呼び出す必要もありませんよね? オーダーが抜けるようなミスも当然起こりませんし、人間がやるよりよっぽど効率的に、作業を進められますよ」
なるほど、と私は思った。

 

「もし仮に、料理の中に虫が混入していた場合、そのロボット達はきちんと対応できるのかい?」


「ええ、もちろん。そもそも作業中も完成時も、高性能なレーダーで異物混入があるかどうかを確認しますので、そんなミスが発生することすらあり得ませんよ」
ふむ、人工知能ロボットの導入は、初期費用が高いにしても、その欠点を補えるくらいの魅力がある。人間の従業員による不安定なチェックよりも、よっぽど信頼できるだろう。

 

「1つ疑問なのだが、接客の技術は大丈夫なのかね? 失礼のない接客が、プログラムされているのは当たり前だろうが、不測の事態が起こるのが現実というもの。水をこぼしてしまうお客様だっているだろうし、泣き止まないお子様を連れてくる人だって居るだろう。中には禁煙席でタバコを吸うような人だって居るはずだ。従業員が全員ロボットだったら、そういったお客様への対応というものは、難しいのではないのかね?」


「ご心配なく。まず、水をこぼしてしまうお客様への対応ですが。これは、全く問題ありません。人工知能ロボットには、設備の状態を把握する機能が備わっています。もしそのようなことが起こっても、給仕ロボがすぐに対応するでしょう。当然、吐瀉物だろうがなんだろうが問題ありません。壊れそうな椅子も、人間より早く見分けることが出来ますし」

この点も、人間の従業員には無い強みだ。人間なら忙しい時にそんな事が起こっていることにすら気付かない場合だってある。お客様に指摘されてやっと、その状況を把握することが出来る人間よりも、その点においてはよっぽど優秀なのかもしれない。


「次に、泣き止まないお子様などへの対応ですね。給仕ロボにはお客様をスキャンして、それぞれの人物に適した対応が出来るような機能が、備わっています。この機能を使えばお子様向けのサービスを、提供したりすることができます。それに給仕ロボットは、注文を取りに行く手間なども省かれていますし、清掃も高速化されていますので、お子様の相手をする時間は十分にあるでしょう」

なんということだろうか。接客対応すらも人間のそれを凌駕する勢いだ。私は営業マンの話す人工知能ロボットの性能に、くぎ付けになっていた。


「最後に、禁煙席を指定しておいて、喫煙をする迷惑なお客様への対応ですね。この点につきましては、そもそもそのようなお客様を『お客様』と呼んで歓迎する必要などありませんので、更生があり得ないと人工知能が判断すれば、然るべき対応を取ります」


「然るべき対応とは?」


「第1段階として、注意をします。それで聞かない場合は警告、それでも駄目なら退店命令を出します」

しかし私は、それを聞いて、どうも納得が出来なかった。


「そんなことをしてしまえば、もしそのお客様が血の気の多い、ならず者だった場合、破壊されてしまうかもしれないではないか」


「ご安心ください。給仕ロボは抜群の耐久性を兼ね備えておりまして、爆弾でも使わない限りキズひとつ付ける事すらできませんよ。スキャンした記録を基に、穏便に追い返すか強制的に帰っていただくかも、瞬時に判断いたしますので問題はないでしょう」


あまりにも高性能すぎるロボットの説明に、私は難癖をつける箇所を見失ってしまいそうになる。

「たしかに、それだけ優れたロボットであれば、安心して店の運営を任せることもできるな。それだけの技術を使って作られているのであれば、もちろん店のメニュー開発や、無駄のない発注、完璧な経理だって出来るのだろう?」


「もちろん、貴方はロボットにお店を任せているだけで、眠ったままでもお金が転がり込んできますよ。初期投資に掛かったお金も無理なく回収が出来ることでしょう」

数か月後、私は念願のレストラン開業をすることができた。当然、従業員はすべて人工知能ロボット。優れた接客に完璧な料理、素早い対応が出来る完璧なレストランは、ついつい自分でも利用してしまうくらいの出来だった。

しかし、完璧なレストランのはずなのに、いつ行っても客席には自分しか居ない。一人寂しく、リモコンを使って注文を出していた。


「注文もこんなに楽で、料理もおいしい、接客も完璧なのに……」

私の唯一の誤算は、多くの人たちが人工知能ロボットによって仕事を失い、お金を稼ぐことが出来ず、レストランなんて利用することすらできなかった事だった。

 


「やはり、ロボットの営業をロボットがやるような時代に、レストランなんてやるべきでは無かったか……」

あとがき

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題噺で検索すると、いろいろな三題噺のお題を自動生成するサービスが結構見つかる。

 

最近、創作みたいなことをしてみたいなって思っているので、こういったサービスを使って想像力とか、鍛えてみようかなって思ってやってみたら割と楽しかった。

でも、正直言って結構気に入ったお題が来るまでルーレットをぐるぐる回した感じ。どんなお題でもかかってこい! って言えるような人になってみたいもんです。

 

この企画の着想は、夜中たわしさんの記事

いらすとやの素材で三題噺をやってみた『完璧なクレーム処理ロボット』 - 夜中に前へ

を読んで、自分も何かやってみたいと思ったけど、創作慣れしていないぼくがいきなり、いらすとやさんの素材を使って創作をするのは少し難易度が高いなと思ったので、今回は文章だけで頑張ってみました。

 

つかはこの、いらすとや三題噺にも挑戦してみたい。お題の集め方も何かしら工夫してみようかな。あと文章に何らかの縛りを入れてみるとか。

 

ではでは

 

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