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珍しい食べ物が食べたい

現代社会の闇を描いた桃太郎とかいう昔話

こんにちは

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もらったきびだんごをその場で食べる人、ぼくです。

 

 

楠山正雄 桃太郎

桃太郎をご存じない方は、上記リンクを読んで頂くことをお勧めします。

日本に生まれ育った読者の方々にはおなじみの昔話「桃太郎」です。

 

この物語は大きな桃から生まれた桃太郎が、おじいさんやおばあさんに育てられ、成長してから鬼ヶ島のはなしを聞いて興味を持ち、旅へ出て道中しりあった犬・猿・雉たちを従えて鬼退治をし、財宝を持って帰ってめでたしめでたし、といったお話ですね。あまりにも有名です。

 

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でも、この広いインターネットの片隅には桃太郎というお話を知らない人も居るかもしれません。おそらく厳しい家庭に育ち、「フィクションなど読むな。ニュースを見ろ」などと教育され続け、物語を読むという楽しみを知らずに生きてきてしまったのでしょう。非常に勿体ないことです。

Twitterやブログ等でみんなが桃太郎の話をしているのに、ついていけなくて1人ぼっちになってしまうかもしれませんね。

 

そんな人を減らすためにも、桃太郎という話がどんなものであるかということを、この記事を通して知ってもらいたいと思い、執筆するに至りました。

 

ニュースや小難しい書籍ばかりを読んでいて絵本や小説などの物語を読みなれていない方でも、すんなりと頭に入ってくるように、親しみやすい文章でこのお話を知っていただけるようにしていきたいとおもいます。

桃太郎とかいう昔話

 物語はおばあさんと大きな桃の出会いから始まります。

 

某所にて,職業不詳の男Gが雑木を収集する間,専業主婦である女Bが川で洗濯をしていると,川上から流れてきた巨大な桃を占有し,G及びBが生活する住居までたらいを利用するなどして,無断で桃を運搬した。

 

おばあさんは川上から流れてきた桃を、他人の財物であるかどうかを確認もせずに、家に持って帰ってしまったんですね。

落とし物を見つけてしまったときは、それを勝手に持ち帰ってしまうと落とし主は非常に困ります。面倒だからと言って警察へ行かなかったり、そのまま自分のものにしてしまうといった行動は、あまり感心できません。

 

大きな桃をもし川に落としてしまった時は、一応最寄りの交番などでその旨を相談してみるといいでしょう。拾ったという届け出があれば今は警察庁のホームページにてそれを確認することもできますので、活用してみることをお勧めします。

 

過去の記事にて、当該サービスの内容を少し紹介しています。何かの参考になれば。

 

 BがGに対し,取得した桃を見せると,桃が2つに割れ,割れた桃の中から幼児Mを発見する。Gは「きっと神様がこの子をさずけて下さったに違いない」等と言いMを自己の支配下において監護養育しようと企て,GとBはMを自己の支配下に置いた。

 

驚いたことに、桃の中には幼い子供が入った居たのですね。実際にこういう現場に遭遇してしまった場合は直ちに最寄りの警察に相談してください。

幼い子供を大きな桃に詰めるだなんて虐待以外の何物でもありません。絶対に許されないことです。

 

しかし、このおじいさんの発言も、保護したとはいえ許しがたいもので、勝手に子供を自分の支配下に置く為に未成年者略取であることを問われないよう必死で自分に対して言い訳をしているともとれます。

当時は両親が居ない、捨てられたなどして保護者の居なくなった子供たちをあずかる施設が無かったのかもしれませんが、何かしらの事故で桃に入り込んでしまった可能性についても検討するべきで、川上に集落がないかどうか等を確かめてみたほうが良かったのではないのかと思います。

 

15歳になったMに対し,帰国した旅行者Xは「鬼ヶ島という所がある」「悪い鬼どもが(中略)ほうぼうの国からかすめとった貴い宝を守っている」等と言い,Mをいてもたってもいられなくした。

 

結局、桃太郎は15歳になるまで老夫婦のもとで育てられたようです。

中二病まっさかりの年頃ですね。そんな少年にスリルのある話を吹き込むこの旅行者は一体何を考えていたのでしょうか。両親に捨てられて(憶測です)老夫婦のもとで退屈な生活を送っていたであろう桃太郎は、そんな面白そうな話を聞いたら当然、行ってみたくなるわけじゃないですか。

 

桃太郎がyoutuberだったらカメラを片手に「はい、どーも。桃太郎です! 今日は~何と! 鬼ヶ島に来ちゃいましたwww(ドンドンパフパフ」なんて軽いノリで動画投稿をしているに違いありません。

 

ネタに飢えた動画投稿者が怖い人の事務所前でウェーイウェーイとはしゃいでいるようなもんです。そのきっかけを与えようとしている訳です。

 

あまり青少年に対し有害となり得る情報は提供すべきではないと、ぼくは思いますね。

 

MがGに対し「鬼ヶ島へ鬼せいばつにいこうと思います」と言うと,Gはそれに対し「ほう、それはいさましいことだ。じゃあ行っといで」と言いそれを承諾した。Bはきびだんごを製造し,BはMに対しお弁当と称しそれを提供した。

 

ほらやっぱり。桃太郎はyoutuberみたいなノリで、怖い鬼のところにちょっかいかけに行こうとしているんじゃないですか。

 

でもね、この桃太郎さんはしっかりとそれを保護者であるおじいさんやおばあさんに伝えているんですね。感心します。

もし勝手に家を飛び出していたら、それはもう家出であり非行少年のレッテルをはられてしまうワケですから。ちっちゃな頃から悪ガキで15で不良と呼ばれてしまうような歌を歌うしかなくなります。

 

しかしそのあとがすごい。そう、おじいさんとおばあさんはそれを止めないんですよね。

もし自分の孫が「じーちゃん! ちょっと怖い人の事務所に行って多重債務者を救うために成敗してくるわ」

って言ったら、あなたはそれを「行ってこい」だなんて言いますか? 可愛い子には旅をさせよなんてよく言いますけど、やっぱ可愛い子供を危険な目に会わせたくない気持ちでなかなか実践できないものです。

それを平然とやってのけるこの老夫婦は、いったいどんな気持ちで桃太郎さんを見送ったのでしょうか。

 

弁当だと道中腐ってしまうかもしれないから、きびだんごにしたのですかね。今の時代ならカロリーメイトを渡すようなもんなのでしょうか。

 

それにしても、「はい、お弁当」と言いながらカロリーメイトを渡すおばあさんから、現代社会の闇を感じずにはいられません。

 

Mは鬼ヶ島へ向かう最中,犬,猿,雉を発見し,Bから提供されたきびだんごを使用し手懐けた。

 

おばあさんから貰ったカロリーメイトもといきびだんごを、動物たちに分け与えるやさしい少年、桃太郎さん。

 

長い旅になるかもしれないのに、貴重な食料を分けるだなんて本当に優しい人です。たぶん彼は自分の出自を知って「本当の親に愛されてなんかいなかったんだ」という事にショックを受け、お腹をすかせた動物たちを見るやそれを過去の桃から流れてきた可哀想な自分に重なって見えたのでしょう。

 

救える命は救おう、そう。おじいさんとおばあさんのように。

 

おじいさん、おばあさん、彼は立派に育ちました。

 

加害者Mは,被害者Oら方の所有する鬼ヶ島に侵入し,飼育する動物の爪,牙,くちばしを用いて暴行したうえ,馬乗りになり抑えつけられた被害者Oらに対して「村人から奪った財宝を返せ」等と脅迫し同人らを畏怖させ同人らから城,かくれみの,かくれ笠,うちでの小づち,如意宝珠,さんご,たいまい,るり等を強奪した。

 

 現代社会の闇を象徴する衝撃のクライマックスです。やはり愛情に飢えていた桃太郎は、たとえ鬼たちの財宝が人から奪ったものであったとはいえ、それを口実に彼らから財宝を奪うような人間になってしまったというとんでもない結末です。

 

鬼たちが降参しなければ、彼は間違いなく殺していたことでしょう。きびだんごを餌に手懐けられた動物たちは、鬼ヶ島について豹変してしまった桃太郎容疑者を見てどういう気持ちになっていたのでしょうか。

 

もしかすると、彼らもまた桃太郎と旅をするうちにその狂気に満ちた内なる桃太郎を感じ取って、精神を支配されていたのかもしれません。使役されていたとはいえ、鋭い武器で鬼たちをいたぶるうちに何かに目覚めた、という風にも考えられます。

 

「神様がさずけて下さった」と自分に言い訳して桃太郎を略取したおじいさんに育てられた彼もまた「他人から奪ったものだから武力を用いて奪ってもいい」と言い訳して強奪するという結末。見事な伏線回収ですね。

 

もしかすると、桃太郎というお話はつらい環境で育った子供が心にどんな闇をかかえてしまうのか、そのまま成長してしまうとどうなるか、という事を描いた作品なのかもしれません。

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めでたしめでたし

あけましておめでとうございます

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2017年最初の記事を、これまたひどいネタで書き初めしてみましたが、いかがだったでしょうか。

 

この記事は、昨年公開されたkido_ariさんの記事を読んで、「自分も何か面白い桃太郎をみんなに伝えたいな」と思い、かずのこを貪りながら書いてみたものです。

 

勝手にネタ元にしてしまってすみません。ぼくが感化されてしまった記事がコチラです。

BLEACH用語だらけの桃太郎 - 今にも崩れそうな本棚の下で

 

今年はもっともっと文章力を磨いて、読みやすくてくだらない記事を提供していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

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ではでは

 

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