チョコボの不思議なダンジョン2のパッケージを見ると涙が止まらなくなる現象
こんにちは
数ある可愛らしい動物の中でも、猛禽類が好きな人、ぼくです。
1998年のクリスマス前に発売されたゲーム「チョコボの不思議なダンジョン2」、皆さんはプレイしたことがあるでしょうか? ぼくは珍しく発売日当日に買ったゲームで、とても印象に残っています。
一番好きだったゲームは「天地創造」だと以前の記事で言ったのですけど、「一番印象に残ったゲームのイベント」となると、ぼくはこのチョコボの不思議なダンジョン2の物語の中で発生する、あるイベントです。
あと数年で発売から20年となるゲームなのですが、今でもプレイステーションのゲームアーカイブス等でプレイすることができる名作です。PSPでもプレイがしたかったのでそちらも購入しました。
今やっても楽しいし、何度やっても飽きません。
でも、ぼくはこのゲームのパッケージを見るたびに涙が止まらない病気にかかっているんです(タイトル回収)。
ここから先はひどいネタバレを含んでいます。
目次
待ちに待った発売日
このゲームはとても思い出深い。
発売日の当日に、誰も並んでいない田舎のゲーム屋に一人、寒い中ずっと開店待ちしていた。
前作、チョコボの不思議なダンジョンをプレイして、その面白さに魅了されていたぼくは、2が出ると聞いてからというもの、発売日情報に変更が無いか、何度も何度もゲーム雑誌をチェックしていた。
ちなみにぼくは、シレンやらトルネコやら、既存のローグライクをそれまでにプレイしたことは無い。初ローグライクがチョコボだった。ファイナルファンタジーシリーズでおなじみの可愛らしい乗り物キャラクターのチョコボ。ぼくはFF5をプレイしていたあたりから、このチョコボという生き物がとても好きだった。
もともと動物が好きってのはあるかもしれない。ファイナルファンタジー5のチョコボは乗り物としてのイメージだけではなく、感情のあるキャラクターとして描かれている部分があった。ぼくはその作品の描写がとても好きで、チョコボの不思議なダンジョンでは主人公の名前を「ボコ」にしたこともある。
不思議なダンジョンシリーズに登場するキャラクターは、主にファイナルファンタジーシリーズに登場するモンスターやキャラクターがデフォルメされたもの。チョコボも当然それにあわせて、可愛らしくデフォルメされたデザインとなっている。
楽しくて、可愛いゲーム
寒い中、ゲーム屋でチョコボの不思議なダンジョン2を入手することができたぼくは、帰宅してから靴も揃えないままプレイステーションの前まで一直線で進んだ。それだけ楽しみにしていたのだ。
やっとはじまるゲーム。オープニングの映像を眺めてからゲームを開始する。まずはありがちなチュートリアルのようなダンジョン。前作とは少し異なる戦闘のシステムを理解しながら攻略を進めていった。こちらが何も操作をしなければ敵の動きも止まっているため、落ち着いて考えながらプレイができる。あわてんぼうなぼくには丁度いいシステムだった。
システムの変更もそうだが、たくさんの要素も追加されていたのは嬉しかった。そして何より今作からは、仲間と一緒にダンジョンを攻略することができる仕組みになっていたのが、当時のぼくにとって一番ワクワクできたポイント。
ダンジョンの種類も沢山あり、階段を下りるだけでなく奥へ進むダンジョン、階段を上るダンジョン、壁に閉ざされた部屋だけではなく、水によって遮られた空間を攻略するダンジョンもあった。そういった変化のおかげで、攻略していて景色に飽きることも無かった。
そして何より、主人公のチョコボがとても可愛かった。無口、というより喋ることができないのだが、大きな瞳とハネや体の動きで沢山の感情を表現する。足音も可愛い。
主人公が活動の拠点とする村の中にはいろいろなイベントが用意されていて、中にはダンジョンから入手したアイテムを使用するイベントもある。村人が欲しがっているアイテムを見つけたら、すぐさま「テレポのしおり」を使って、困っている村人の下へ駆けつけた。もはやお使いチョコボである。可愛い。
ゲーム中の音楽も、明るい曲からシリアスな曲、それぞれのダンジョンに合わせた曲、どれをとっても素晴らしかった。中でもお気に入りの曲は「シドのテーマ」。豪快な変人のおっさんであるシドの表情が、スムーズに脳内再生されるようプログラミングされてしまった。
エンディングじゃないけど、泣いた
そして忘れられない曲が「愛のテーマ」。あるイベントを思い出し、聴くだけで泣きそうになる。物語を進めていくと、山場である山岳ダンジョンで観ることとなるイベントとムービー。これがパッケージを直視できなくなった原因だ。
とにかくクソ泣いた。
さらわれたシロマを助けるために向かったダンジョンで、やっとシロマを見つけることができたチョコボ。心配そうな目をして駆け寄ると、シロマはチョコボに手を伸ばし「それを…」、と言う。
「帰らなければ いけないの」
――チョコボの首にかかったペンダントは、シロマが未来から来た恐ろしいモンスターと一緒に、滅びゆく元の世界へ戻るために必要だった―― それを知っていたチョコボは寂しそうな表情でゆっくりと首を大きく横にふる。
瞬きしたチョコボの大きな瞳からは涙がボロボロと零れ落ちていた。
「お願い わかって」
寂しそうな顔をしてシロマのもとへ近づいたチョコボのクチバシに、シロマはそっと口づけをする。
思わず立ちすくんだチョコボは、異変に気付く。――ペンダントが、無くなっている―― 宙を舞いながら遠く離れていくシロマを泣きながら追いかける。その表情を見て、シロマも悲しげな表情を浮かべていた。
雪に足を取られてしまったチョコボは転んでしまう。だんだんと離れていくシロマは一言、
「さよなら…」
と言い残して姿を消してしまう。
残されたチョコボは、降り積もる雪の中で叫んだ……
この文章を書くために思い出していただけで涙がこぼれてしまった。
酷いネタバレになってしまったが、このシーンが脳内再生されてしまうから、チョコボの不思議なダンジョン2のパッケージを見ると涙が止まらないのだ。そして、そのムービーで再生される曲が、この「愛のテーマ」。
涙もろいぼくは、色々なゲームで泣かされてきたが、このゲーム以上に泣いたゲームは無い。初プレイの時も泣いたし今でも泣く。
パッケージを見るたびに思い出してしまう。
あのいつも元気で可愛らしいチョコボの、かつてない哀しい叫び声を。
さいごに
ゲームの思い出って、いろいろありますよね。プレイしていて、思い切りやり込んでいた思い出だったり、今回のようにゲーム中のイベントに心を震わされたり。
こんな感動を与えてくれたゲーム開発のスタッフさん達が居たから、今の自分があるんだなって思います。既プレイだけど、このイベントを見るためだけに何度も最初からやり直しているって人はぼくだけじゃないと思ってます。
そんな、忘れられない映像の話でした。
ではでは
▼ゲームの思い出話
▼子供のころのぼくが体験した怖い話